大阪市都市再生フォーラム
中国ビジネスに求められる人材の育成と大学の役割
~大学を通じた大阪の都市再生~
中国経済の最新状況に応じた中国ビジネスと求められる人材
| 日時 | 平成19年11月26日(月) 13時30分~17時30分 | |
| 主催 | 大阪市、(財)大阪市都市工学情報センター | |
| 共催 | 同済大学、立命館大学 | |
| 後援 | 中華人民共和国駐大阪総領事館、近畿経済産業局、(独)日本貿易振興機構、大阪府、(社)関西経済連合会、大阪商工会議所、(社)関西経済同友会、日中経済貿易センター、(財)大阪国際経済振興センター、日本経済新聞社 | |
| 場所 | 大阪産業創造館(住所:大阪市中央区本町1-4-5) | |
| 参加費 | 無料 | |
| 目的 | 「中国経済の最新状況に応じた中国ビジネスと求められる人材を題材として、人材育成に果たす大学の役割や産学連携、同済大学大阪分校に期待される役割について、中国政府政策担当者や日中両国の大学関係者、日本企業の中国ビジネス経験者を交えて議論し、大学を通じた大阪の再生・経済活性化を浮き彫りにします。」 | |
| プログラム | 13:30 | 開会挨拶
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| 13:35 | 第1部 基調講演
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| 15:15 | 第2部 パネル・ディスカッション
中国側パネリスト
日本側パネリスト
モデレータ
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| 17:30 | 閉会 | |
講演内容骨子
第1部 基調講演 『中国ビジネスにおける人材の育成』
講演者1
上海市人民代表大会常務委員会副主任
上海社会科学院部門経済研究所所長、教授 厲 無畏
経済躍進が著しい中国をはじめとするアジアに多くの日系企業が進出している。今は単に「生産拠点」としての進出ではなく、真の意味でのパートナーシップやアライアンスを築き、これに応じる国際的経営人材が求められるようになっている。国際化・情報化・産業集約化が進む時代には、中国に関する経営人材もこのような趨勢に応じなければならない。日本と中国やアジア諸国とのビジネスにおいて、中心的な役割を担う「ブリッジパーソン」の育成が最重要である。このブリッジパーソンに求められるものは、グローバルな視点を持ちながらも、アジア各国の文化や制度、さらに経済特性などを把握して、ビジネスを成功へと結びつけることである。
講演者2
日中経済貿易センター理事長
元松下電器(中国)有限公司総経理 青木 俊一郎
中国に進出して設立した日系企業の人事の現地化のための留意点として、
- 中国政府の人事管理に関する法律・法規に精通すること、
- 工会(日本の労働組合にあたる)を組織し、経営側と工会側が良好な協調関係を築くこと、
- 業務内容を規範化し、文書確認すること、
- 「雇用契約」・「就業規則」の中で企業理念の徹底、採用、考課、給与体系、昇給・昇格、福利厚生等の文書化を、常に状況変化に応じて内容の修正を行うこと、
- 日本人出向社員と中国側高級職員の人事規定についても会社設立前に入念な確認、協定のとりまとめをしておくことがあげられる。
また、中国での事業展開成功のキーワードは、情動的共感性(中国のマーケットで仕事する喜び)、互恵的利他主義(一緒に働く異国、異文化の人たちと成果を分かち合えること)である。
第2部 パネルディスカッション 『人材育成・産学連携についての大学の役割と都市の活性化』
パネリスト1
同済大学副学長、教授 楊 東援
農業経済時代の基礎は農村であり、工業経済時代の基礎は工場であったが、これからの知識経済時代の基礎は大学にある。持続性のある大学の特性としては、
- 教育(知識、能力、道徳において、持続発展可能な人材育成)、
- 研究(社会のニーズに応じ、学科融合と学際の推進)、
- 地域貢献(大学と地域連携し、地域の持続発展に貢献)、
- キャンパス(省エネルギー、社会に優しいキャンパス)
と考える。同済大学も様々な分野において、持続性発展をめざしている。
パネリスト2
立命館大学副学長、教授 児島 孝之
人材育成に力点をおく大学改革の視点から、グローバル化社会に求められる人材として、
- 国際感覚を有する幅広い基礎知識・語学力を身につけた人材、
- 次世代を先導する専門知識・先見性を有する人材、
- 組織を束ねる指導力のある人材
が考えられる。このため、本学では博士教育の改革を優先し、産業界の期待に応える人材教育をめざしている。具体的には、研究者(教員)・リサーチフェロー(企業の研究所長クラス)・シニアアソシエイト(企業のマーケット部門の責任者クラス)の三位一体による人材育成の新たなスキームである「トライアングル・フォスター・プログラム」の実現をめざしている。
パネリスト3
前中国駐日本大使館公使参事官
前中国教育部国際合作交流局長 李 東翔
中日の国交正常化以降、中日両国間においては、政府間や大学間、さらに民間団体においても官民連携のもと、人材育成の強化が図られている。今後、グローバル時代がより進展していく中で、中日両国の大学の共同による人材育成の新しいシステムを創造・革新していく必要がある。両国の共同発展はもとより、調和のとれた繁栄をめざしたアジアと世界平和の構築のため、豊富な知識と実践能力、国家の枠を超える能力を備えた優秀な人材を育成しなければならない。
パネリスト4
(株)野村総合研究所執行役員 此本 臣吾
人口減少、高齢化社会の進行により、日本の内需は縮退している。その一方、海外では新興国を中心にグローバル市場の拡大化が進み、日本の国内生産もアジアの最終需要へ依存度を高めている。このような情勢の中、地方経済活性化の鍵は明治維新・第二次世界大戦後に続く、「第三の開国」ではないか。例えば、アジアの所得向上に伴う、日本の農産物輸出の開拓や2010年代から急増するアジアからの訪日観光客への対応である。この第三の開国に必要なのは若い人材の活力である。また、景気が拡大すれば、東京圏・中京圏に成長が偏在していくことが予想される。大阪も日本の一都市からアジアの一都市へと発想を転換することが必要である。
パネリスト5
中国国務院発展研究センター対外経済研究部副部長、研究員 趙 晋平
中国では、高成長・工業化・都市化の三つの背景により投資需要の拡大が長く続くものと考えられる。中国の経済成長は日本企業にビジネス機会をもたらすものであり、日本の最大貿易投資パートナーとしての地位回復が期待される。日本企業にとって、観光サービス・省エネ技術・スポーツ関係・情報サービス・アニメ・健康食品・自動車・IT機器などの分野にビジネスチャンスがある。そのためにも、中日の大学や企業連携、中国ビジネスマンや観光客の誘致、中国企業の誘致、ハイテク製品の製造・輸出、中国国内でのサービスビジネス拠点とネットワークづくりの奨励が必要である。
パネリスト6
(株)InfoDeliver代表取締役社長 尚 捷
日本の労働生産性は、主要先進7カ国の中で、11年連続最下位となっている。日本の少子高齢化と労働力人口の減少が進む中、新たな労働力の供給手段が求められる。一方、中国では大卒者数が年々増加し、豊富で高質な労働力供給により高成長を支えている。また、近年、日本語を習得する人材も増えており、現地日系企業をはじめ多くの日本語人材の供給が期待される。これらに見られるように、先進国のグローバル企業にとって、グローバルな人材確保は重要なテーマとなっている。
パネリスト7
復旦大学経済学院副院長、教授
同済大学アジア太平洋研究センター兼任教授 孫 立堅
製造大国から金融大国まで成長するためには発想を転換することが大事である。政府レベルでは、為替政策と金利政策、国際大都市への変身戦略、金融関連のインフラ整備を、企業レベルでは、ベンチャー産業の市場化、R&D体制の多様化を、個人レベルでは、個人価値を最大限評価できる市場への奨励、産官学連携・教育内容と方法の多様化、インセンティブシステムの再構築が必要である。大阪の行政に対しては、創造力を生み出す環境の活用や制度づくり、また、人材誘致に係る生活環境や一流のサービスシステム、語学能力の育成環境をはじめとする規制緩和、さらに、日中関係において、競争関係から脱出し、相互信任と理解の関係を築くことが求められる。
