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このページはトップページの中のシンポジウム・フォーラムの中のロンドン大学─大阪市・メディカルサイエンス・ジョイント・フォーラムです。

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シンポジウム・フォーラム

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ロンドン大学

大阪市・メディカルサイエンス・ジョイント・フォーラム

フォーラム開催概要

日時 2005年11月30日(水)
13時00分~16時00分
写真:フォーラムのパンフレット
場所 御堂筋アクセスビル3階ホール
主催 UCL、大阪市、大阪市立大学
事務局 英国総領事館、日本疲労学会、日本経済新聞社

講演の説明資料はPDF形式でのご提供となります。PDFファイルをご覧いただくには、アドビリーダー(無償)が必要です。

開催趣旨

「癒し」をテーマとした新たな産学連携

写真:会場の様子近年、豊かなライフスタイルを求める健康志向の高まりとともに、さまざまな健康商品やサービスが開発され、その市場はますます伸びています。その一方で、今の日本は、大人の6割が疲れを感じているという疲労大国でもあります。この疲労からくる現代都市生活者の体からのメッセージを、「癒し」をテーマとした科学的なアプローチによる研究を目的とした新たな産学連携が、今、非常に注目を浴びています。複雑な現代都市に生きる私たちの体からのメッセージについての研究は、住宅やオフィスから通勤電車や車まで、あらゆる生活空間で気持ちよく過ごせるように、香り、明かり、気温などパーソナルな快適環境の創造に役立ち、疲労の予防・回復商品やサービスの開発につながっています。

今回、このような「癒し」をテーマにした新たな健康商品やサービスの開発に向けた産学連携を促進するために、世界的な抗疲労の権威であるロンドン大学医学部のゼキ教授とオノ教授をお招きし、大阪市立大学の福島教授と渡辺教授とのジョイントフォーラムによって、最先端研究成果をご紹介しました。

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主催者説明

大阪市都市再生本部事務局 高橋課長

主催者説明を行う大阪市都市再生本部事務局 高橋課長大阪市の都市再生の取組みは、「知的ビジネス創造機能の強化」、「にぎわい・文化集客機能の向上」、「魅力あふれるまちづくりの推進」の3つの柱で推進しています。

中でも「知的ビジネスの創造」を促進する分野として、ものづくり関西が得意とする「ロボットテクノロジー」、次世代の情報基盤となる「IT、ユビキタス」、高齢化社会を迎える日本で関心の高い「健康・予防医療」の3分野で推進しています。

本日は、この「健康、予防医療」の中でも、「癒し」をテーマに考えられる大学の最先端医療の研究成果を、さまざまな生活シーンで考えられる「癒し」の可能性について興味を持っていただく企業の方々に紹介し、世界最高水準の医療技術を採用した、健康商品やサービスの開発に向けたコラボレーションの機会の創出をめざしております。これからの新商品、新サービスの開発に向けた交流の橋渡しを大阪市が担いたいと考えております。本日のフォーラムをきっかけに新たな産学連携を考えておられる方、また、関心を持っていただき引き続き情報を得たい方は、遠慮なく、大阪市都市再生本部事務局までご連絡ください。

今後、このような新たな産学連携による研究成果の発表の場として期待されているプロジェクトとして大阪駅北地区の開発があります。当地区の開発の中核機能として位置づけられているナレッジ・キャピタル構想は、次世代の商品、サービスを開発するために世界から最先端のナレッジ(人、情報、技術、知識)が集積、交流し、最新の成果をショールームなどの展示を行う場所として計画されています。本日のテーマである「癒し」に関連する新たな産学連携の成果が、このナレッジ・キャピタルで実を結ぶことを期待します。

主催者の説明資料(PDF:1.8MB)

問合せ先

大阪市都市再生本部事務局
担当:高橋 TEL:06-6244-4319

フォーラム事務局

財団法人大阪市都市工学情報センター
担当:合田、久保田
E-mail:ucl@osakacity.or.jp TEL:06-6647-1910

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講演概要

1)環境発癌物質の閾値
Thresholds of Environmental Carcinogens

福島 昭治 医学研究科長(病理学)
Prof. Shoji Fukushima (Pathology, OCU)

講演中の福島昭治氏私たちの生活環境の中には、さまざまな発ガン物質が潜んでおり、食べ物、水、息を吸えば空気の中にも存在し、言い換えれば、発ガン物質の海の中で生活しているといっても過言ではない。ガンに関する研究過程は、私たちの生活の中に潜む発ガン物質が何なのかを見つけることと、この発ガン物質が体に作用し、いかにしてガンが発生するかのメカニズムを解明することにある。

人が一定量の暴露を受けることで、はじめてその毒性を示す発ガン物質があり、その一定量の暴露値を閾値と言う。閾値を持たない化学物質は、いくら暴露量を下げても毒性を示す確立が減るだけで、危険性がゼロにはなりません。

この発ガン物質が正常な細胞に与える影響を研究する場合、高濃度の発ガン物質をマウスなどの動物に継続投与することで、発ガン物質の量と細胞の変化の状況の関係で明らかになる。

このような方法で行われたさまざまな実験の結果、遺伝性発ガン物質、環境発ガン物質には閾値が存在することが明らかになり、今後、この閾値の更なる解明が、環境発ガン物質の曝露に対する科学的なリスク評価に役立ち、その規制を科学的根拠を持って行うことが可能となる。

私たちの生活の中には、交通事故などさまざまな危険因子があり、このリスクと比較して、環境の中の発ガン物質のリスクを明確にするために、発ガン物質の閾値の解明が大切である。

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2)アレルギー病:21世紀の流行病
Allergic Diseases: An epidemic of the 21st century?

サンタ・ジェレミー・オノ教授 (眼科学)
Prof. Santa J. Ono (Ophthalmology, UCL)

講演中のサンタ・ジェレミー・オノ教授現代社会では多くの人が何らかのアレルギーに悩まされており、現在、イングランドでは全人口の30%であるといわれている。そして、2015年には全人口の半分の人がアレルギーに悩むことになるであろうと考えられている。アレルギーには慢性的なものと急性的なものがあり、急性のアレルギーの中には非常に深刻な症状を訴えるものもある。アメリカの各都市では多くの子供がこの急性アレルギーで入院し、イングランドでは死亡例も伝えられている。このように、アレルギーは現代都市に生きる私たちにとって、深刻かつ身近な問題である。

人体が環境に過剰反応を起こすアレルギーは何故起こるのかを解明することは、現代都市生活者にとって非常に重要なことだが、ひとつに私たちの生活があまりに清潔になったことがその起因ではないかということが考えられる。アレルギーは遺伝的な要因が大きいと言われるが、アレルギー症状そのものの原因は遺伝によるものではなく、環境によるものが多い。

私は、アレルギー性結膜炎の遺伝学を研究し、そのメカニズムの解明に努めている。このようなアレルギーによる眼の免疫疾患の原因となる遺伝子の変化を解明することが、症状の改善や抑制のために非常に大切であり、遺伝子とアレルギー素因との基本的な関連性の特定に尽力したい。

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3)疲労の科学:慢性疲労の克服のために
Fatigue Science: To Overcome Chronic Fatigue

渡辺 恭良 教授(システム神経科学)
Prof. Yasuyoshi Watanabe (Physiology, OCU)

講演中の渡辺恭良教授日本人は60%から70%の人が疲れていると言われるが、その原因は明らかになっていない部分が多い。この原因の特定されない疲労による経済損失は1.2兆円とも言われ、見過ごすことができない数値である。

私の研究室では疲労を“作業能率の低下”が起きた状況と定義している。この疲労は休むことを警告する健全な体からのアラームであり、多数の病気の下地(未病)となる。

体の3大アラームとして、“痛み”“発熱”そして“疲労”がある。発熱は体温という客観的な数値で計測でき、この原因とメカニズムが解明されれば、対策を講じることが可能であり、“疲労”もその原因とメカニズムを解明することが大切である。

これまで実態が曖昧であった疲労を作業効率の低下というものさしで計測することで“疲労を科学的に分析”し、その回復と予防の方法を明らかにすることが可能になる。

慢性疲労の脳内機構と遺伝子変化についての急速な研究進展の結果、今まで不明瞭であった疲労の姿が見えてきたことで、さまざまな癒し商品やサービスの開発につながる。

例えば、お風呂やアロマセラピーや笑いなど多くの人が行っている疲労回復方法の中で最も効果があるのは、緑の香りなどアロマセラピーということが分かってきた。このように、疲労のものさしが出来て、メカニズムが分かってくれば、何が、どのくらい、何故利くのかということが明らかになります。

このような「疲労定量化及び抗疲労医薬・食品開発プロジェクト」の成果が実りつつある現在、ロンドン大学の先生方とも連携をとり、私たちが健康な体で寿命を全うできるよう更に研究を進めたいと思います。

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4)心理学者フロイトの「文明とその不満」の神経生物学的解析
A Neurobiological Analysis of Freud's "Civilization and Its Discontents"

セミア・ゼキ教授(脳科学)
Prof. Semir Zeki (Neuroscience, UCL)

講演中のセミア・ゼキ教授自己や人間についての考え方を形成する上で指導的地位にあるのがフロイトである。

フロイトはその著書「文明とそれの不満」の中で、「私たちの精神構造」が本能的衝動と文明社会の葛藤を生み出し、そのことが人間の苦悩の原因となっていると述べている。

この著作が発表された1930年以降、脳について多くの知見が得られてきた。こうした知見を元にフロイトの説に再検討を加えることは意義のある作業である。

このような研究は、解剖学、生理学、脳イメージングといった従来的手法だけを拠り所とするのではなく、芸術、文学、音楽等、脳の産物にも論拠を求めることが必要であろう。こうした産物こそが脳の構造を解明する上で大きな手がかりとなるのである。

脳の機能は、何よりもまず知識を習得することであり、私たちのあらゆる経験を統合することによって、「理想的な」概念を形成し、それが自分の知識となる。

しかし経験したことの内容によっては、脳がその知識習得能力の範囲内で形成する理想的な概念との間に齟齬が生じることもあり、それが往々にして不満や失望の原因となる。

従って人間に不満を感じさせる根本的要因の一つに、人間の脳にこのような驚異的なパワーを与えているシステム、すなわち概念を形成するシステムそのものがあるといえよう。この結論は人間の脳に関する従来的、直接的な研究と、芸術家や作家の作品を元に導きだされたものである。

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